MOD関数は、割り算の余りを求める関数です。
ただ、割り算の余りだけを求めるケースは多くはありません。したがって、他の関数と組み合わせで使うことが多いのがMOD関数です。
割り算の余りを求める
対応バージョン:Excel365 2019 2016 2013 2010
MOD関数の書式です。
=MOD(数値,除数)
※カッコ内の「数値,除数」を引数といいます。
MOD関数は、引数〔数値〕を引数〔除数〕で割り算した「余り」を求める関数なので、割り算の結果を求める場合は、数式で「割られる数値/割る数値」のように記述するか、QUOTIENT関数(クオーシャント関数)を使って求めます。
MOD関数の使い方
まず、実際のサンプルでMOD関数のイメージを掴んでいきます。
このサンプルは、入力してある数値が「偶数」なのか「奇数」なのかを判別する例です。判別結果によって、サンプルのC列に「偶数または奇数」と表示しています。

セルB2にMOD関数が入力されています。
=MOD(A2,2)
A2セルに入力してある数値を「2」で割り算し、余りをB2セルに求めています。
数値を「2」で割ったときの余りが「0」なら「偶数」、「1」なら「奇数」になります。その結果を得て、IF関数で「偶数または奇数」とC2セルに表示しています。
IF関数は以下のように記述しています。
=IF(B2=0,”偶数”,”奇数”)
MOD関数自体単独で使われることは少ないですが、他の関数と組み合わせて使うことで便利な使い方ができます。そんな例をご紹介します。
例では、今回のMOD関数と前回お伝えしたINT関数を使います。
INT関数の使い方は以下の記事を参照してください。
MOD関数とINT関数を組み合わせ金種表を作る
金種表は、ある金額の金種(お金の種類。1万円、5千円、千円という種類)を調べて記載した表で、交通費を現金支給する場合などで利用されています。
以下の例では、交通費を現金支給するために、各人の交通費の「金種」を計算し、その結果に基づいて「紙幣や硬貨」を準備します。
最初に1万円が何枚必要か計算します。
それが以下のサンプル画像です。

B5セルに「=INT(B2/$A$5)」と入力しています。A5セルは「絶対参照($を付ける)」形式で指定し、横方向のセルに数式をコピーしたときにセル参照が変更されないようにしています。
INT関数は、計算結果の小数点以下を切り捨て整数値を求める関数なので、以下の手順で1万円の枚数を求めます。
交通費支給額(B2セル)を10,000円(A5セル)で割り、小数点以下を切り捨てて整数値を求めます。結果、1万円は2枚となります。
C列からE列には、B5セルの数式をコピーするだけです。
次に、5千円から1円までの必要数を求めます。
B6セルには以下の数式を入力してあります。
=INT(MOD($B$2,$A$5)/$A$6)

関数の解説
5千円の必要枚数を計算するには、MOD関数を使い交通費支給額を10,000円で割ります。そして、その余りを5,000円で割り、INT関数で小数点以下を切り捨てます。
これで、5,000円の必要枚数が計算できます。
以降、1,000円から1円までは、5,000円の必要数を計算した数式をコピーするだけです。
なお、金種表の交通費支給額と各金種の横合計は、SUM関数で算出しています。
関連する関数
文中で取り上げたQUOTIENT関数(クオーシャント関数)の使い方は、以下の記事を参照してください。
MOD関数と同じ分類の関数
MOD関数と同じ系列の関数は以下のページで探せます。