IFS関数は、複数の条件を順番に評価していき、その結果に応じた結果を返す関数です。
同様の処理はIF関数をネスト(入れ子)することでも実現できますが、IF関数をネストして使用する場合よりも、分かりやすくすることができます。
論理式に該当すれば対応する真の処理を実行する
対応バージョン:Excel365 2019 2016 2013 2010
IFS関数の書式は以下のようになります。
=IFS(論理式1,真の場合1,論理式2,真の場合2,…論理式127,真の場合127)
※括弧内に指定する「論理式1,真の場合1,論理式2,真の場合2,…」を”引数”といいます。
※引数は127個まで指定可能。
※論理式は、TRUE(真)かFALSE(偽)を返します。
引数の説明
- 引数〔論理式1~127〕:条件式を指定(例えば、C6セルが20より小さい「C6<20」)。
- 引数〔真の場合1~127〕:条件式を満たしたときに行う処理を指定。
〔論理式1〕を評価し真であれば〔真の場合1〕を実行し、偽であれば〔論理式2」の評価へと続き、論理式が記述されているだけ真偽を判定していきます。
論理式を評価した結果、条件が満たされれば(真の場合)以下に続く論理式の評価は行われませんので、論理式を記述する順番にも注意する必要があります。
どの条件にも該当しなかった場合は?どうする
サンプルでIFS関数の使い方と、どの条件も満たさなかった場合の処理の指定方法を説明します。
以下のサンプルは、商品ごとの在庫を確認するための資料です。
今回やりたいことは、在庫数量が最低在庫数量の20を下回った場合に「発注欄」に”要発注”と表示する。また、在庫数量は20以上であっても、販売数量が在庫数量を上回っている場合も”要発注”と表示します。

上記サンプルのG6セルには以下の関数式を入力しています。
=IFS(C6<20,"要発注",C6<=F6,"要発注",TRUE,"")
引数の解説
- 〔論理式1〕:在庫数量が20未満かを判断するので「C6<20」と指定
- 〔真の場合1〕:在庫数量が20未満なら”要発注”を表示する
- 〔論理式2〕:販売数量以上の在庫数量があるか判断するので「C6<=F6」と指定
- 〔真の場合1〕:販売数量以上の在庫数量がなければ”要発注”を表示する
- 〔論理式3〕:TRUEと指定
- 〔真の場合3〕:空白を表示
ここで注目するのは、最後の〔論理式3」と〔真の場合3」です。
IFS関数では、〔論理式〕を順に調べていき、条件を満たせば〔真の場合〕の処理を行いますが、どの〔論理式〕も満たさない場合もあります。
すべての〔論理式〕を満たさなかった場合の処理を指定する場合は、〔論理式〕にTRUEを指定し、〔真の場合〕に実行したい処理を記述します。
それが、上記サンプルの〔論理式3〕と〔真の場合3〕です。
IFS関数と同じ分類の関数
IFS関数と同じ系列の関数は以下のページで探せます。